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2015 年度 実施状況報告書

反応促進物質添加によるディーゼルエンジンの排気ガス浄化技術の確立

研究課題

研究課題/領域番号 26340066
研究機関北九州工業高等専門学校

研究代表者

山本 洋司  北九州工業高等専門学校, 生産デザイン工学科, 准教授 (50707453)

研究分担者 橘 武史  九州工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50179719)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード排気ガス浄化 / 反応促進 / ジメチルエーテル / オゾン
研究実績の概要

本研究は、ディーゼルエンジンの出力性能や燃費性能を維持または向上させつつ、排気ガス中の窒素酸化物(NOx)や粒子状物質(PM)を同時低減することを目的としている。方法としては、燃料や吸気に反応促進物質を添加し、燃焼を促進させる。反応促進物質としてジメチルエーテル(DME)およびオゾン(O3)を用いる。
吸気にDMEを添加する方法では、エンジン回転数2600rpm、全負荷において実験を行った。DMEの添加量を増やすとすすの排出量が減っていき、2l/minのときわずかながらではあるがNOxの減少もみられ、すすとの同時低減が達成できた。しかしこれ以上添加すると不完全燃焼を起こし、NOxは減少するがすすは増加していった。
吸気にO3を添加する方法では、アイドリング(1000rpm)、低負荷(負荷率10%以下)でエンジンを運転させ、ごく少量のO3(0.04l/min)を添加し実験を行った。添加量が少ないため大きな差はなかったが、最大筒内圧がわずかながら上昇し、その時期も早かったっため、燃焼が促進されていると思われる。O3添加量を増やせばさらに燃焼促進され排気ガスの浄化に効果があると推測される。
燃料にDMEを添加する方法では、軽油に10wt%のDMEを添加し、2600rpm、全負荷において実験を行った。NOxとすすが大きく低減する場合もあれば全く効果のない場合もあり、安定した結果を得ることができなかった。前年度燃料供給系を高圧配管仕様に改造したので燃料はエンジンに送り込まれているが、安定して供給できていないと考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当該年度は、1)吸気にDME添加、2)吸気にO3添加、3)燃料にDME添加の実験を行うことができ、特に吸気にDMEを添加する方法においてはNOxとすすの同時低減の傾向が見られたため、おおむね順調に進んでいると言える。燃料にDMEを添加する方法では、前年度は燃料をエンジンに供給することができなかったが、燃料供給系の高圧化により可能となり、実験まで行うことができたので順調である。また、吸気にO3を添加する実験もスタートさせることができた。

今後の研究の推進方策

吸気にDMEを添加する方法およびO3を添加する方法については、燃料噴射タイミングの変更を行い、すすとNOxを同時低減できる運転条件を探る。燃料にDMEを添加する方法においては、燃料供給中に温度が上昇しDMEが気化して燃料がエンジンに供給できない可能性があるため、温度管理等の方法を検討し安定的に燃料が供給できるよう改造を行う。これを用いてDME添加量を変更しながら実験を行う。これら実験を通して、NOxおよびすすを低減させつつ、熱効率を維持または向上できる最適な運転条件を決定する。
また反応機構を用いた数値計算を行い、排気ガス浄化の要因を明らかにし、本手法が一般的なディーゼルエンジンにも適用できるよう解析により最適な運転条件を導く。

次年度使用額が生じた理由

前年度にエンジンの燃料供給系の改造が完了し、該当年度は実験を中心に研究を進めたため、主に軽油やDME等の消耗品に経費をあてたため、予定金額より低い使用額となった。

次年度使用額の使用計画

平成28年度は燃料供給系の追加改造やエンジン内の燃焼を模擬するための実験装置製作に主に使用する。また、学会発表等の費用にも充てる。

備考

北九州学術研究都市 第15回産学連携フェア 国立高等専門学校専攻科学生研究発表会にてポスター発表
五嶋雄大、DME添加によるディーゼルエンジンの排気ガス浄化技術の確立
2015年10月23日、北九州

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公開日: 2017-01-06  

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