植物抽出は重金属汚染を浄化する方法の一つであり、キレータは重金属の毒性を緩和して植物の生物利用能力を向上させると考えられている。サトウキビ廃糖蜜由来の暗色物質(DM)は、銅汚染培地の植物修復の促進効果がある事がこれまで明らかにされた。本報告書では、鉛やカドミウムを含む培地でDMによる植物抽出効率の向上効果を評価した。これら重金属の毒性に耐久性が強いアブラナ属の植物種を用いた結果、1 mM硝酸鉛培地における乾燥重量と鉛摂取量は、DMを加える事によって有意に増加した。取り込まれた鉛はほとんど根に蓄積されていた。1 mM硫酸カドミウム培地においては育ちが悪く、DMを添加しないと全滅した。
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