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2014 年度 実施状況報告書

高ガスバリア性樹脂製造のための新触媒プロセス開発

研究課題

研究課題/領域番号 26340078
研究機関九州大学

研究代表者

伊藤 正人  九州大学, 先導物質化学研究所, 准教授 (20293037)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード水素化 / ポリオール / ガスバリア
研究実績の概要

エステル類の水素化反応に有効とされる種々のRu触媒を用いて、未だ報告例のないα位に四級炭素原子をもつエステル化合物として2,2-ジメチル,2,2,4-トリメチル、ならびに2,2,4,4-テトラメチルグルタル酸ジメチルを取り上げて水素化反応を実施した。その結果、前の二つの化合物は円滑に反応が進行して対応するジオール類が収率よく得られたのに対して、最後の化合物は同様の条件下では全く反応しないことが判った。そこで次に2,2-ジメチルグルタル酸ジメチルから2,2-ジメチル-1,5-ペンタンジオールが得られる反応経路の詳細について反応条件をより穏やかにして調べたところ中間生成物としてα,α-ジメチル-δ-バレロラクトンが観測された。以上のことからα位に四級炭素原子をもつエステル基の水素化はいかなるRu触媒をもちいても容易ではないものの,隣接水酸基によってラクトン構造に変換されれば、活性化エネルギーが低減されアルコールへの変換反応が加速することが示唆された。そこで近傍に種々の水酸基を配したピバル酸エステルと単純なピバル酸エステルの水素化反応における活性を比較したところ、水酸基を配したピバル酸エステルが選択的にアルコールへと変換されることが明らかとなった。本結果はポリメタクリル酸エステルからポリメタリルアルコールに導く際に、遊離水酸基をもつ原料を用意すれば、Ru触媒による水素化反応を活用できることを示唆する重要な結果である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

テクニカルスタッフの雇用と教育ならびに実験環境の整備に時間を要したが、企業の協力を仰ぎ、当初の計画からの遅れは取り戻しつつある。

今後の研究の推進方策

27年度からは新たな企業からの協力を仰ぎ、総じて研究は加速する見込みである。

次年度使用額が生じた理由

研究を加速する為にテクニカルスタッフを雇用し当初の計画より人件費を増額して執行する予定としたものの、適切な人材を見つけるのに時間を要したため結果的に物品費が余ってしまった。

次年度使用額の使用計画

本年度購入を控えた消耗品(真空ラインやマグネティックスターラー等)の購入に充当する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] エステル類の水素化プロセス研究

    • URL

      http://www.sanken.osaka-u.ac.jp/joint_research/invite/kadai-ippan26.pdf

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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