研究課題/領域番号 |
26340080
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
村山 憲弘 関西大学, 環境都市工学部, 准教授 (90340653)
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研究分担者 |
芝田 隼次 関西大学, 先端科学技術推進機構, 研究員 (70067742) [辞退]
林 順一 関西大学, 環境都市工学部, 教授 (60247898)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | アルミドロス / アルポ / 水蒸気吸着剤 / リサイクル |
研究実績の概要 |
前年度までに得られたアルミドロス由来AlPO4-nの知見を踏まえて、低温熱源の利用を想定したデシカント用およびヒートポンプ用の水蒸気吸着剤としての適用性を評価した。具体的には、水蒸気の吸・脱着温度を任意に設定し、アルミドロス由来AlPO4-nの水蒸気吸・脱着量を平衡論の観点から解析することにより、デシカントやヒートポンプの運転条件に関する検討を行った。 AlPO4-n合成における構造規定剤の種類や混合比を調整することにより、種々のアルミドロス由来AlPO4-n(AlPO4-5、AlPO4-34、AlPO4-11、AlPO4-Cなど)を得ることができた。アルミドロス由来AlPO4-nの比表面積の序列は、AlPO4-5 (290 m2/g) > AlPO4-5 (150 m2/g) > AlPO4-11 (60 m2/g) > AlPO4-C (7 m2/g)であった。40℃における水蒸気吸着測定の結果によれば、AlPO4-34の水蒸気吸着量が最も大きく、ついでAlPO4-5であることがわかった。AlPO4-34は、低い相対圧で水蒸気の吸着量が急に立ち上がるIUPACのIV型に分類される吸着等温線を示した。一方、AlPO4-5はV型に分類される吸着等温線の形状であった。冷熱を得る際に有効な水の吸・脱着容量(ΔQ)を解析したところ、AlPO4-34 (0.118 kg-H2O/kg-ads.) と AlPO4-5 (0.108 kg-H2O/kg-ads.) が比較的大きな値を有することがわかった。一連の結果から、アルミドロス由来のAlPO4-34やAlPO4-5は低温熱源を利用する場合の水蒸気吸着剤として有効である可能性が示唆された。
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