本研究では、スギにおける137Cs濃度に関して調査した。 心材と辺材の137Cs濃度の比は、徐々に高くなり、事故後2年には2前後になった。また、137Cs濃度とK量との関係を検討した。心材において、含水率が高く、材色の明度が低い個体は、137Cs濃度が高くなる傾向があった。心材と辺材境界で137Cs濃度のピーク値が得られ、137Cs濃度は髄に向かって徐々に減少した。対照的に、心材のK量はほぼ一定のままであった。137Cs濃度の心材と辺材の比は、K含有量と有意に正の相関があった。これらの結果から、辺材から心材への137Csの動きは心材と辺材のK含有率に関係している可能性が示唆される。
|