水環境におけるVREならびに薬剤耐性腸球菌の分布状況と拡散実態を把握し,環境中に存在するVREから耐性遺伝子の伝播の可能性を検討した。バンコマイシン耐性遺伝子の一つであるvanC2/C3を保有するVREが都市河川(八重川)流域の全調査地点から検出され,広範囲に拡散していることが確認された。想定されうる環境を模擬したin virto実験によって,vanA保有VREの耐性遺伝子の伝播ポテンシャルを評価した。その結果,河川底質と活性汚泥の条件においてvanA遺伝子の伝播が確認され,伝播率はそれぞれ10-7と10-8であった。
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