研究課題/領域番号 |
26340089
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
東 信行 弘前大学, 農学生命科学部, 准教授 (40262977)
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研究分担者 |
大竹 二雄 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (20160525)
渡邉 泉 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (30302912)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 微量元素 / 安定同位体 / 超個体群 / 水系ネットワーク / 魚類 / 水生昆虫 / カワネズミ |
研究実績の概要 |
岩木川水系を主な対象地とし,そこに生息する魚類・水生昆虫類に加え食虫類などの生物とともに水や底質,POMなどを採集した。その後,炭素窒素同位体比や微量元素などの分析を行い,生息地の判別を行うとともに,移動個体の推定を行うための検討をした。また,魚類においては耳石の酸素同位体比をマイクロドリリングで個体発生的な時間軸でしながら分析し,水温履歴などについて検討を行った。同時に採捕されるカワネズミに関しても,個体群構造を把握すべく検討に加えた。水生昆虫では,幼虫成虫のストロンチウム同位体を計測し,水域別の値が認められるか検討を行った。 現在のところ,ダム湖を中心とした流入河川間での魚類・カワネズミの移動は認められず,ダム湖対支川の関係性のみが抽出され,支川間の交流は極めて小さい可能性が見いだされた。 水生昆虫では主にヒゲナガカワトビケラをターゲットとし,検討を行ったが,成虫期においても河川間の移動はほとんどないことが示唆される結果となった。 本手法の有用性はこれらの結果より示すことができるものと評価した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
手法開発から有用性評価が本研究の第一番目の目的であり,この点に関しては十分な成果を得ている。より複雑な超個体群構造を明らかにするためには更なるサンプルの分析が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は,サンプルの分析に加え,これまで採捕できなかったが,より超個体群構造の鍵となる地点間の中間地点においてのサンプリングに集中することにより,局所個体群が隔離されているものであるのか,それとも交流可能なレベルにあるのかについての検討を行う。そのためには,ストロンチウム同位体比などの新たな手法を用いたサンプル分析を並行して行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
必要物品購入には残額が少額になり執行できなかったため,次年度に購入することで研究が速やかに進むことが予想された。
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次年度使用額の使用計画 |
繰り越し分を含め必要物品等を速やかに購入,または調査開始し研究費を使用する。
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