研究実績の概要 |
2015年度は大阪南港野鳥園人工塩性湿地北池を対象に、季節別に中長期間残存可能な難分解性有機物の有無および炭素貯留量を、海水に現地の新生堆積物を加えた生分解性試験により検討した。 その結果、大阪南港野鳥園人工塩性湿地北池の表層堆積物(0-5cm)の有機炭素の分解は冠水・干出状況によって異なり、潮間帯堆積物は46-77% が難分解性であるのに対して潮下帯では93-98 %が難分解性有機物として貯留されることがわかった。さらに、本塩性湿地北池(約4ha)における表層堆積物中(0-5cm層)の炭素貯留量を概算したところ、潮間帯で9.5トン、潮下帯では27.6 トン、北池全体で37.1 トン貯留されていると推定された。 そのほか、2015年度には国内外の学会で成果の発表を行った。例えば、2015年9月にイングランドのヨークで干潟・塩生湿地の環境動態に関する国際会議(WETPOL 2015)が開催され、ここで口頭発表した。この発表内容については、関連情報と合わせて、国際学術雑誌「Ecological Engineering]に論文投稿中である。なお、本研究内容の一部が2016年1月に土木学会論文集 B2, 72, No.1, pp.1-11 に掲載された。
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