特定外来生物ソウシチョウの効果的な管理計画策定のため、5つのマイクロサテライトDNA座について国内12地点計409個体の集団の遺伝的構造を調べた。ヘテロ接合度は全個体群で高く、対立遺伝子数は四国を除く西日本の集団で概ね多く、愛知、高知、筑波の個体群で少なかった。愛知や高知個体群は各々他の個体群と遺伝的な違いが大きかった。プログラムSTRUCTUREによる解析では国内のソウシチョウは9つのクラスターに分けられる可能性が示された。高知や愛知個体群では特定のクラスターに属する個体が多かった。暫定的結果だが、他の個体群と遺伝的交流がまだ少ない高知や愛知個体群は、駆除の優先順位が高いことが示唆された。
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