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2014 年度 実施状況報告書

部品リユース・リサイクルを伴う環境配慮型製品の物理寿命・機能寿命の最適デザイン

研究課題

研究課題/領域番号 26340103
研究機関滋賀県立大学

研究代表者

奥村 進  滋賀県立大学, 工学部, 教授 (70204146)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード環境配慮型製品 / 環境負荷 / リユース / リサイクル / エンドオブライフオプション
研究実績の概要

使用済みの工業製品からリユース可能な部品を取り出し,それを新規に製造する工業製品に組み込む生産方式(リマニュファクチャリング)は,すべての部品を新規に製造して組み込む生産方式よりも環境負荷の低減が期待できる.リユース部品もいずれ物理的に故障したり,陳腐化したりして使用されなくなるときがやってくるので,リユース部品の寿命設計を適切に行うことが大事である.また,製品の設計段階において製品使用後のことを考え,製品を構成する各部品に対してどのようなエンドオブライフオプション(リユース,リサイクル,廃棄など)を設定すると環境負荷が小さくなるのかも考えておく必要がある.

(1)リユース部品に設定した物理寿命分布がリユース効率に及ぼす影響をライフサイクルシミュレーションによって調べた.リユース効率とは,リユース部品をリユースした個数と,リユース部品を新規に製造した個数および廃棄した個数との比を考えたものであり,これによってリユースの状況を定量的に評価できる.使用済み製品中のリユース部品がリユースできるかどうかは,リユース部品の残存寿命推定精度にも影響を受ける.そこで,リユース部品を実際にリユースするかどうかに関して,回数基準,時間基準,状態基準の判断基準を設定し,それぞれの判断基準がリユース効率に及ぼす影響も調べた.

(2)製品を構成する各部品にどのようなエンドオブライフオプションを設定すればよいのかを考察した.部品に設定するエンドオブライフオプションによって,製品固有の環境負荷とコストが発生する.また,製品の分解レベルもエンドオブライフオプションと同様に環境負荷とコストに影響を及ぼす.そこで,これらの影響をマルチエージェントに基づいたシミュレーションによって調べ,それで得られた結果をクラスタリング手法によって分類した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまでに進めていた研究を土台にして今年度の研究を進めたこともあり,概ね順調に進んでいると判断している.

今後の研究の推進方策

(1)リユース効率に関連する研究では,リユース部品の物理寿命分布の影響を調べたが,機能寿命分布の影響は調べていない.そこで,機能寿命分布の影響がリユース効率に及ぼす影響を調べる.また,機能寿命分布に関して,製品およびリユース部品の機能・価値の低下というミクロレベルに基づいて分布を得ることができないかどうかに関して検討する.さらに,ライフサイクルシミュレーションによって結果を得ようとしているが,数理モデルを構築することによって,最適化問題として定式化することを試みる.

(2)エンドオブライフオプションの決定に関する研究では,各部品に設定したエンドオブライフオプションが環境負荷とコストにどのような影響を及ぼすかを調べたが,部品の接続性と分解容易性を考慮していない.そこで,これらを考慮したもとで,エンドオブライフオプションの決定に関する精度と柔軟性を向上させる.また,マルチエージェントによってシミュレーションを行ったが,局所的な数理モデルの構築によって,最適化問題として定式化することを試みる.

次年度使用額が生じた理由

初年度は大型の設備備品を購入する予定であったが,既存のコンピュータシステムで代用したので次年度使用額が生じた.

次年度使用額の使用計画

計算機のハードウェアとソフトウェアの進歩を踏まえて適切なものを購入する予定である.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] ライフサイクルエンジニアリングの現状とこれから2015

    • 著者名/発表者名
      奥村 進
    • 雑誌名

      システム/制御/情報

      巻: 59 ページ: 53~58

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 循環型製品におけるリユース・リサイクル・廃棄部品の構成コストに及ぼす影響2015

    • 著者名/発表者名
      松宮優貴, 奥村 進,畑中 裕司, 小郷原 一智
    • 学会等名
      2015年度 精密工学会春期大会学術講演会
    • 発表場所
      東洋大学白山キャンパス(東京都文京区)
    • 年月日
      2015-03-19
  • [学会発表] 循環型製品におけるリユース・リサイクル・廃棄部品の構成比がライフサイクルコストに及ぼす影響2014

    • 著者名/発表者名
      松宮優貴, 奥村 進,畑中 裕司, 小郷原 一智
    • 学会等名
      日本設備管理学会 平成26年度秋季研究発表大会
    • 発表場所
      秋田県立大学(秋田県由利本荘市)
    • 年月日
      2014-11-11
  • [学会発表] 環境配慮型製品を構成するユニットのエンドオブライフオプションの決定2014

    • 著者名/発表者名
      松本裕暉, 奥村 進,畑中 裕司, 小郷原 一智
    • 学会等名
      日本設備管理学会 平成26年度秋季研究発表大会
    • 発表場所
      秋田県立大学(秋田県由利本荘市)
    • 年月日
      2014-11-11
  • [学会発表] 環境配慮型製品におけるリユース部品のフローに関するマルチエージェントシミュレーション2014

    • 著者名/発表者名
      松本裕暉, 奥村 進,畑中 裕司, 小郷原 一智
    • 学会等名
      日本設備管理学会 平成26年度春季研究発表大会
    • 発表場所
      早稲田大学(東京都新宿区)
    • 年月日
      2014-05-29
  • [学会発表] 循環型製品におけるリユース部品およびリサイクル部品の構成比がライフサイクルコストに及ぼす影響2014

    • 著者名/発表者名
      松宮優貴, 奥村 進,畑中 裕司, 小郷原 一智
    • 学会等名
      日本設備管理学会 平成26年度春季研究発表大会
    • 発表場所
      早稲田大学(東京都新宿区)
    • 年月日
      2014-05-29

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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