本研究では、名古屋都市圏を対象に将来の社会経済シナリオを考慮した建築物の需要とその建替え・解体等のライフサイクルを表すシミュレーションモデルを構築した。また、建築物の資材別等の原単位を把握した。さらに、木質系家具の所有状況とそのライフサイクル、都市の樹木や草地の状況等も把握した。この結果、品質等を考慮した木質系廃棄物が把握できると同時に、これらの有効な利用方法が提示可能となった。特に、コンパクトシティといった都市空間構造の違いや住宅の木質化や長寿命化の程度に応じた木質系財の需要と供給、そして木質系廃棄物との関係を明らかにすることで、都市圏域内における循環利用促進のための方策が検討可能になった。
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