水車羽根が河川の水面に浮かんだ状態で回転して、流水のエネルギーを電気エネルギーに変換するフロート式水車の原理実証を研究目的として取組み、以下のような成果が得られた。平成27年度に試作した1号実験機で目標の発電出力(10[W])を達成した。平成28年度はこれより3倍程度の大出力化を狙って、新たに2号実験機を試作した。2号実験機の設計製作において、水車羽根の材質をプラスチックに変更した。回転軸の直径を1.5倍程度、大径化して強度を増大するとともに重量増加に対応して浮力を確保するために浮力体の横幅を20%増加した。また、実験機に内蔵する発電機の磁極数を12極から16極に変更して発電性能の向上を図った。さらに、河川の堰で発電実験を行う際に使用する補助水路を2号実験機の構造に適合するように設計製作した。 河川実験は、平成27年度の1号実験機と同じ横野川に加えて香々美川でも運転特性・発電性能を検証した。平成28年度に実施した2号実験機の発電出力は26~27[W]で、目標値(30[W])に到達することができなかった。また、計画していた河川の水位と発電性能の関係調査についても未実施である。主たる要因は、河川の流水条件(流速・流量)が天候や降雨などの自然現象に支配され、このため平成28年度は例年と比べて流水状況に恵まれなかったことが挙げられる。 上記の研究結果は平成28年11月の国際会議(ICEMS2016)で講演発表を行った。
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