本研究は、循環資源貿易と静脈産業の形成・発展構造を解明し、新興国・途上国の静脈産業政策を議論する。まず、現在の新興国・途上国が過去の日本のどの段階に位置づけられるかをデータで示した上で、記事・資料調査により日本の静脈産業の発展経路を整理し、新興国・途上国の流通・産業構造の実態調査から、相違点を抽出した。また、日本の関連市場における環境問題の変遷を明らかにし、その下での産業政策の整理および成果、課題を示した。これらを受けて、静脈産業政策の経済学的根拠を示しつつ、新興国・途上国において市場の適正化を前提とした産業政策の重要性を結論として示した。
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