19 世紀英国の官立デザイン学校のデザイン教育における、色彩論の形成過程ならびに国外への影響、デザイン製品への応用について検討を行った。本研究では、同校が化学者ジョージ・フィールドの色彩調和論を採用し、芸術総監督リチャード・レッドグレイヴが色彩学の教科書を作成、カリキュラムに産業デザインに資するための色彩教育を組み込んだことを明らかにした。また、同校の素描・色彩教育が日本の教育者たちに参照されたことを具体的に示した。さらに卒業生であるクリストファー・ドレッサーがいかに学んだ色彩論をデザイン製品に応用したかについて考察を行った。
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