研究課題/領域番号 |
26350008
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
金谷 一朗 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50314555)
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研究分担者 |
山本 景子 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助教 (10585756)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | デザイン / 幾何学 / 複合現実感 |
研究実績の概要 |
本研究はデザイナの「きもち」を「かたち」と「うごき」へと表現するために,デザイン幾何学の知見と複合現実感 (Mixed Reality) 技術を駆使した,全く新しいコンピュータ支援設計システム 「動的(4D)デザイン支援システム」を構築を目指すものである. H26年度は意匠曲面の「味わい」と「躍動感」に関する基礎的調査を重点的に行ない,またそれらを提示する装置の試作を行った.施策した装置の一部は ACM SUI にて発表を行った. デザインにおいて実物体(モックアップ)による試作が必要欠くべからざるものであることは従来研究によって繰り返し明らかにされている.一方で実物体はコンピュータ上の形状モデルとは異なりその形状の操作に著しい工数が必要となる.例えば切る,削る,着色するなどである.そのため,デザイナの自由な発想をそのまま実物体で体現させようとしても困難であることが極めて多い. 本研究はコンピュータ,画像処理技術,実世界センシング技術を用いた複合現実感技術を用いることによってこの困難を克服している.デザイナはビデオシースルー型ヘッドマウントディスプレイを装着し,実物体を観察しつつもそこに挿入されるコンピュータグラフィックスによってコンピュータモデルによって形状の変化を捉えることができる.またデザイナは本研究のために設計された専用のペンを用いることでコンピュータモデルの変形を行うことができ,その結果はヘッドマウントディスプレイを通して再現されている形状に即座に反映される. 上述の試作システムを用いて形状の「味わい」や「躍動感」といった従来言語化が難しかったデザイン特徴に関する形状データを取得した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究はデザイナの「きもち」を「かたち」と「うごき」へと表現するために,デザイン幾何学の知見と複合現実感 (Mixed Reality) 技術を駆使した,全く新しいコンピュータ支援設計システム 「動的(4D)デザイン支援システム」を構築を目指すものであり,H26年度は意匠曲面の「味わい」と「躍動感」を提示する装置の試作を行う計画であった. 現在までに,それらの基礎的調査並びに装置の試作を行っており,研究は概ね順調に進展していると言える.
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今後の研究の推進方策 |
H27年度以降はデザインにおける「躍動感」の調査とモデル化,ロボットアームを用いた制御を行う予定である.本目的のためにH26年度に行った基礎調査と試作装置を拡張する.
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次年度使用額が生じた理由 |
情報収集,学術発表に関する費用が想定よりも安価に抑えられたため,相当額を次年度使用額とした.
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次年度使用額の使用計画 |
新たな情報収集に用いる.具体的には,熟練技能者に対する聞き取り調査,フィールド調査,研究者に対するインタビュー,および被験者実験に用いる.
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