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2014 年度 実施状況報告書

アクセシブルデザインにおける視覚情報の戦略的導入と展開

研究課題

研究課題/領域番号 26350009
研究機関大阪教育大学

研究代表者

岡本 幾子  大阪教育大学, 教育学部, 教授 (00135766)

研究分担者 小林 政司  大阪樟蔭女子大学, 学芸学部, 教授 (60225539)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードアクセシブルデザイン / 生活環境 / 生活情報 / ユーザーインターフェース
研究実績の概要

アクセシブルデザインの配慮対象者は,日常の生活に不便を感じている全ての人々である.携帯電話やスマートフォンなどの通信機器の普及に伴って,メールやソーシャルネットワーキングサービス(SNS)は私たちの生活に必要不可欠な情報伝達の手段となっている.メールやSNSにおいて使用されるモバイル絵文字は,文字の一部を絵で表現したり,自分の感情を絵で表現したりして,自分が伝えたい内容をより相手に伝えやすくしている.H26年度は,生活環境におけるビジュアルインフォメーション(視覚情報)の1つであるモバイル絵文字に関する分かりやすさについて検討した.
文字や言語から独立して情報を伝達するために用いられ,視覚的に理解できる特定の意味を持った図記号であるモバイル絵文字について,作成者が意図する意味と同様の意味で利用者が使用しているか,正答率,回答容易性,,認識容易性,単色使用のモバイル絵文字と複数色使用のモバイル絵文字の比較などについて実験を行った.
国内2社において使用されているモバイル絵文字を各30個(計60個)抽出し,絵文字の意味,分かりやすさ,見やすさなどについて被験者実験を行った結果,回答がしやすい,つまり主観的にわかりやすいと感じるモバイル絵文字は,相対的にその意味が正しく伝わっている(r2=0.2605).視界に入ってきやすい,つまり主観的に見やすいと感じるモバイル絵文字は,わかりやすいと感じる傾向がある(r2=0.6897).モバイル絵文字の回答容易性と認識容易性の関係は,単色使用の場合(r2=0.7255)に比し複数色使用の場合(r2=0.8681)のほうが優れていることなどが明らかになった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度は生活情報およびユーザーインターフェースに関するアクセシブルデザインの検証を行った.生活情報のうち,通信機器において文章表現の一部を代替するモバイル絵文字を対象とした.国内で使用されている代表的なモバイル絵文字をその特徴から単色使用と複数色使用に大別し,被験者実験に供した.「正答率」,「誤答率」,「無回答率」,「回答容易性の平均」,「認識容易性の平均」などを求め,「正答率」から度数分布を作成し,「わかりやすさの指標」について検討した.被験者の応答によるデータ解析への展開のために,現在,視線分析の実験環境を整備中であり,初年度の研究はおおむね順調に進展している.

今後の研究の推進方策

生活情報のうち,通信機器において文章表現の一部を代替するモバイル絵文字を対象とした検証を引続き進めるとともに,家庭用品品質表示法で定められている繊維製品の取扱い説明の図記号や絵記号など視覚情報が生活者に提示された場合に,人はどのように認知するのか,生活消費用品の操作説明書のレイアウト,分かりやすさなどのユーザーインターフェースに関して,象徴性や可読性など,意味伝達効果などについて検証を進める.

次年度使用額が生じた理由

生活情報の象徴性や可読性等の意味伝達効果の評価を中心に初年度の研究を遂行したことと,次年度に向けてEye Mark Recorderによる視線分析実験を進める過程で,より効果的な研究計画の遂行のために,現有の実験装置等における環境整備を行うため,初年度に計上した備品費の一部,人件費・謝金等の予算を次年度に繰り越しとした.

次年度使用額の使用計画

次年度の研究費の主な用途として,現有の視線分析実験装置(Eye Mark Recorder EMR-AT VOXER,(株)nac IMAGE TECHNOLOGY)の一部改修および整備充実を予定しているほか,動画刺激の作製(外注)などを予定している.

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公開日: 2016-05-27  

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