研究課題/領域番号 |
26350011
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
森田 昌嗣 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (20243975)
|
研究分担者 |
曽我部 春香 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (50437745)
杉本 美貴 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (00635047)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 環境デザイン / パブリックデザイン / サインデザイン / サインシステム / 観光 |
研究実績の概要 |
本研究は、わが国に高質な観光価値を有した地域(エリア)を相互に連携させ、観光関連産業の拡大と、それに伴う地域活性化に効果をもたらす一助として、これまで駅や公共施設、道路など運営管理上個別に計画整備されてきたサインデザインシステムを、国内外観光者・生活者・行政・観光業者などの視点を横断的に取り入れ、交通や観光、商業・公共施設から街区、地区、エリアにネットワークする、観光立国・日本のための、わかりやすく安心・安全で魅力的なおもてなしのためのネットワーク型サインデザインシステムの構築を行うことを目的とする。 平成28年度は、福岡市サインシステムと最近整備された同市早良区の「サザエさん通りサインシステム」との関連性について平成26から27年度に調査分析した結果を踏まえ、サインシステムが観光資源を相互に連携させ地域活性化に効果をもたらしているかどうかに関して「サザエさん通り」の関係者(西新商店街、自治協議会、当該地区関連企業、福岡市早良区役所等)にヒヤリングを行った。その結果、サザエさん通りのサインシステムの整備によってまちづくりイベント等のソフト事業も拡大充実していることが確認できた。この成果については、平成28年8月31日~9月2日イギリスのリーズ大学で開催された国際会議KEER2016(6th International Kansei Engineering & Emotion Research Conference)で発表を行った。また、同国際会議では、本研究でのサインシステム調査についての発表も行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
交付申請書の「研究の目的」のための「研究計画」におけるネットワーク型サインデザインシステムの構築のための問題点と解決すべき課題を抽出すること、そのモデルエリアの一つとしての福岡市「サザエさん通りサインシステム」等を国際会議で発表することができた。 しかし、研究代表者が平成27年10月より本務の九州大学大学院芸術工学研究院・副研究院長に任命され管理業務が増えたことで研究推進がやや滞り、サインデザインシステム提案と評価実験による検証による実用的なネットワーク型サインデザインシステム構築は達成できなかったため、科研費の基金の1年間繰越申請を行い、平成29年度に最終成果を提出することとしたため、現在までの達成度は、区分(3)やや遅れている、と判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、28年度に達成できなかった本研究計画におけるモデルエリアにおけるネットワーク型サインデザインシステム提案、提案に基づいた具体的なケーススタディを通して、クオリティカルテ評価・診断手法を用いた評価実験による検証を行い、実用的なネットワーク型サインデザインシステムを構築する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度は、研究代表者の管理業務の増大による研究推進の遅れと、これまでの研究成果の国際会議での発表のための準備に時間を要した。そのため、当初予定していたサインデザインシステム評価カルテを用いた、選定エリア別の評価実験が実施できなかったため、その実験に必要とされる旅費と実験結果の分析にかかる人件費等の支出がなかったため、次年度使用額が「0」より大きな値となった。
|
次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額に関しては、サインデザインシステム評価カルテを用いた、選定エリア別の評価実験のための旅費と実験結果の分析にかかる人件費等にあてることを使用計画とする。
|