研究課題/領域番号 |
26350011
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
森田 昌嗣 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (20243975)
|
研究分担者 |
曽我部 春香 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (50437745)
杉本 美貴 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (00635047)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 環境デザイン / パブリックデザイン / サインデザイン / サインシステム / 観光 |
研究実績の概要 |
本研究は、これまで道路など運営管理上個別に計画整備されてきたサインデザインシステムを、わかりやすく安心・安全で魅力的なネットワーク型サインデザインシステムの構築が目的である。 平成29年度は、モデルエリア(福岡市)におけるネットワーク型サインデザインシステムを構築し提案する。モデルエリアの詳細調査から、歩行移動に重要な役割を担う案内サイン類の不足や設置場所等の情報提供の偏りがある。しかし,地区名や通り名の記名サイン類の分布は多く,その大半が街灯などへの付帯情報であり,専用のサイン類での不足を,情報以外の都市装置との付帯によって補うことが有効な方法である。歩行者の円滑な都市内移動のための公的サインには,現状の街路や地区別の分布の偏りを軽減し連携した情報を提供するためのシステム化が必要であり,歩行者用ネットワーク型サインシステム構築には,都市装置デザインにおける秩序化の方法が適用できることを提示した。 歩行者用ネットワーク型サインシステムの構築には,公的サイン類をはじめ多数の都市装置が集中する地区においては集約する秩序化の方法が,また情報提供が不足している地区では車用の標識類に歩行者用サインを付帯する秩序化の方法など,地区や街路の特性に適応できるいくつかの方法の組み合わせとなる。そこで,サイン類の整理統合による秩序化の具体的な方法として公的サイン類分布グラフを提案した。公的サイン類分布グラフは,街路パターン別に設定された集約や付帯の種類別分布量の変動予測値を割り出し視覚化する方法である。公的サイン類分布グラフは,計画すべき対象の種類と変動予測値の整合性の調整を行い,集約や付帯する対象の実施の可能性を検討し,隣接する街路パターンとの変動予測値のばらつきを整えられるなど,新設の歩行者用サイン計画だけでなく,不足や偏った分布などのサイン類の再計画においても有効な方法となる。
|