研究実績の概要 |
本研究では,いままで,顧みられることの少なかった,共感覚的感覚統合を用いた,映像のサウンドビジュアルデザインとそのアルゴリズムを開発する。優れたクリエータがもつ感性を,共感覚を手がかりに、脳科学的に解明・モデル化し、コンテンツ作成には欠かせない音楽・映像のクロスモダリティを利用した映像のビジュアルックを決める共感覚的コンテンツ作成アルゴリズムを開発する。多くの優れたクリエータが持つと考えられる,共感覚とは、『音を聴くと色が見える』『味わうと形を感じる』など、一感覚刺激によって複数の知覚が不随意に引き起こされるクロスモーダル現象のことである。幼児の発達過程で,獲得されていく統合知覚(クロスモダリティ)は人間の感性に決定的な影響があり,共感覚は感覚モダリティ間の関係を明らかにする上で重要な手がかりとなる.本年度は特に、MEGによる脳計測データに対して、使用頻度の高いものと低いものそれぞれに対し、共感覚色とその補色と考えられる色に対する反応の分類、解析をブロードマンの脳地図による部位ごとに行なった。結果、200ms付近でいずれの場合にも多くの部位で、検出される大きな信号の大小の差異が検出された。さらにこれ以外にも300msあたりで、大きな信号が検出される場合のある部位と、そうでない部位が観測されることが確認できた。他方、脳機能と相互関係の面から脳計測結果に対する分析を行う必要がある。
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