本研究は「薬剤服用」を事例として、医療サービス利用者と医療従事者の双方のニーズに対応した統合型健康・医療情報生涯サポートモデルの構築を目ざして取り組んだ。利用者への調査を通じて薬剤服用時に使用するアイテムの使用性に関する問題点を抽出した上で、問題解決のための提案事例として薬袋の情報デザインモデル開発を実施し、その有効性を確認した。また、医療従事者である薬剤師の業務体制に焦点を当て、利用者の健康を総合的にサポートする上で必要な薬事システムの要件と課題を明らかにすることができた。これによって、 医療分野への社会的ニーズに対して、効果的な知見とすみやかに還元可能な実用的開発成果を提示できた。
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