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2016 年度 実績報告書

体感辞書を備えたインタラクティブツールにより触覚を研ぎすます生活実践のデザイン

研究課題

研究課題/領域番号 26350021
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

諏訪 正樹  慶應義塾大学, 環境情報学部(藤沢), 教授 (50329661)

研究分担者 筧 康明  慶應義塾大学, 環境情報学部(藤沢), 准教授 (40500202)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード触覚 / 体感 / ツール / メタ認知 / 身体知 / 言葉 / 感性 / 生活
研究実績の概要

本研究は、人の触感への意識を敏感にすることをファシリテートするインタラクティブなツールを開発し、それを生活の中で使用するための生活実践をデザインするという目的を有してきた。ツールの基盤的位置付けにあるのが、音素を用いた体感辞書である。身体が(例えば足の裏)何かに接触することによって、その境界に生じる摩擦に伴う音声信号と、その時の主観的な体感を表現する音素を、対として登録した関係データベースのことを、体感辞書と呼んでいる。
3年間の研究期間を通して、(1)靴に振動マイクを貼り付けて地面を歩いた時の物理信号を取得し、(2)同時に歩く地面の写真を撮り、(3)その時の体感を2つから3つ程度の音素の組み合わせで表現することを可能にするインタラクティブツールを開発した。さらにその時の体感をその音素で表現する意味を自然言語で表現することが、この生活実践を継続するための大きな動機になり得ることも見出した。
さらに、足裏体感だけでなく、味覚の触感を音素で表現するという、別ドメインの実験も行い、その体感を自然言語で詳細に記述することを通して蓄積された言語データを分析し、動詞と副詞の表現が詳細になり、種類が増すことも見出した。つまり、触覚への意識を言葉にするという生活行為は触覚を研ぎすますことを促すという認知的現象を検証したことになる。
さらに、身体が環境とインタラクションをすることによって自分自身の体感を含めた身体のあり方が進化すること(身体知の学び)の哲学的意味についての論を展開し、言葉で表現することで生活の感性を研ぎすますことの意味について洞察を得た。
この知見から、触覚を言葉で表現して触覚体験をより豊潤化するという試みを、生活を邪魔しない形で導入する糸口を掴むことが重要であると考えられる。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (4件) 学会発表 (8件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 身体知という研究領域2017

    • 著者名/発表者名
      諏訪正樹
    • 雑誌名

      人工知能

      巻: Vol.32, No.2 ページ: 215-217

  • [雑誌論文] 身体知研究を支える理論・方法論2017

    • 著者名/発表者名
      古川康一,諏訪正樹,日高昇平
    • 雑誌名

      人工知能

      巻: Vol.32, No.2 ページ: 222-228

  • [雑誌論文] 生活と身体知2017

    • 著者名/発表者名
      諏訪正樹,大武美保子
    • 雑誌名

      人工知能

      巻: Vol.32, No.2 ページ: 247-254

  • [雑誌論文] 「自分ごととして考える」ことを促す認知実験のあり方2016

    • 著者名/発表者名
      諏訪正樹
    • 雑誌名

      建築討論WEB版

      巻: Vol.9 ページ: webでページ数なし

  • [学会発表] 「街ぶら」における身体性2017

    • 著者名/発表者名
      諏訪正樹、石川初、加藤文俊
    • 学会等名
      第31回人工知能学会全国大会
    • 発表場所
      ウィンクあいち(愛知県名古屋市中村区)
    • 年月日
      2017-05-23 – 2017-05-26
  • [学会発表] 「あいだ」と「わたし」 ~ 暮らしにおける共創の場を描き出す ~2017

    • 著者名/発表者名
      桑山菊夏,諏訪正樹
    • 学会等名
      ヒューマンコミュニケーション基礎研究会(信学会)
    • 発表場所
      東北大学電気通信研究所(宮城県仙台市青葉区)
    • 年月日
      2017-03-15 – 2017-03-16
  • [学会発表] 価値共創としてのコミュニケーション ~ パスタのレシピ創造のケーススタディ ~2017

    • 著者名/発表者名
      諏訪正樹,藤井晴行,中島秀之
    • 学会等名
      ヒューマンコミュニケーション基礎研究会(信学会)
    • 発表場所
      東北大学電気通信研究所(宮城県仙台市青葉区)
    • 年月日
      2017-03-15 – 2017-03-16
  • [学会発表] 傾聴・着眼-身体感覚を呼び起こしてスキルを追究する2017

    • 著者名/発表者名
      堀内隆仁,諏訪正樹
    • 学会等名
      人工知能学会身体知研究会
    • 発表場所
      金沢しいのき迎賓館(石川県金沢市広坂)
    • 年月日
      2017-03-03 – 2017-03-03
  • [学会発表] 認知の動的生成の根幹としての記号接地2016

    • 著者名/発表者名
      諏訪正樹
    • 学会等名
      日本認知科学会第33回大会
    • 発表場所
      北海道大学(北海道札幌市北区)
    • 年月日
      2016-09-16 – 2016-09-18
  • [学会発表] 臨機応変さの探究2016

    • 著者名/発表者名
      諏訪正樹
    • 学会等名
      第30回人工知能学会全国大会
    • 発表場所
      北九州国際会議場(北九州市小倉北区)
    • 年月日
      2016-06-06 – 2016-06-09
  • [学会発表] 走りを追究する2016

    • 著者名/発表者名
      堀内隆仁,諏訪正樹
    • 学会等名
      第30回人工知能学会全国大会
    • 発表場所
      北九州国際会議場(北九州市小倉北区)
    • 年月日
      2016-06-06 – 2016-06-09
  • [学会発表] 他者との対話を通して「わたし」を見つめる2016

    • 著者名/発表者名
      桑山菊夏,諏訪正樹
    • 学会等名
      第30回人工知能学会全国大会
    • 発表場所
      北九州国際会議場(北九州市小倉北区)
    • 年月日
      2016-06-06 – 2016-06-09
  • [図書] 「こつ」と「スランプ」の研究 身体知の認知科学2016

    • 著者名/発表者名
      諏訪正樹
    • 総ページ数
      285
    • 出版者
      講談社

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公開日: 2018-01-16  

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