本研究では,触感をことばで表現する手法の開拓,触感を研ぎすますインタラクティブツールの開発,ことばを分析する手法の考案を通して,触感を研ぎすます生活の実践的デザインを行い,以下の成果を得た. まず,触感を音素・音韻を用いてことばで表現する方法を編み出し,味わいを言葉で表現するドメインでその健全性を検証した.次に,靴の振動音と,その時の足触り触覚を表現した音素・音韻を対として記録するツールを開発し,使用に伴い次第に音素・音韻の表現分解力が高まることを確認した.更に,触覚認知の分析に資する手法として,身体が何かを感じているが明確で論理的なことばになる以前の,曖昧なことばを分析する手法を編み出した.
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