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2014 年度 実施状況報告書

新規福祉事業所における効果的なデザインマネジメント手法の研究

研究課題

研究課題/領域番号 26350023
研究機関東洋大学

研究代表者

池田 千登勢  東洋大学, ライフデザイン学部, 准教授 (40434063)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード福祉事業所 / 障害者 / 就労支援 / 商品開発マネジメント
研究実績の概要

平成26年度は、主に、以下の3点の研究を進めた。
(1)新たな事例研究を比較する対象として、これまでに行った熊本県、沖縄県、島根県、神奈川県の7箇所の優れた商品開発事例を持つ「好事例就労支援事業所」の調査内容、及び上記の事業所が設置されている地域のうち、熊本県、島根県、神奈川県の3つの地方自治体(県庁の担当部門)の支援内容の実態と効果、問題点等について分析を行い、食品・非食品の開発に共通する成功要因と有効な地方自治体の支援内容と課題について考察を行い、平成27年3月にInternational Symposium on Affective Science and Engineeringにて発表した。*結果:事業所側の活動、自治体側の支援内容の課題となる点、新規事業立ち上げの成功要因の具体的な事例、また地方自治体の支援の困難な点、今後重点的に行うべき方向を見出した。

(2)プレ調査として、1:新規事業所でありながら急成長し、多くの障害者が利用する千葉県の新規就労支援事業所(パン、手芸品等を開発)を訪問し、設立の経緯と新規事業所の課題、製品開発と販売のプロセスの特徴についてヒアリングを行った。2:小規模事業所として活動しているが、あまり運営状況がよくない埼玉県の小規模就労支援事業所(パンの販売等)について関係者にヒアリングを行った。*結果:プレ調査からは、強力なリーダーシップを発揮する運営主体の存在、地域の補助金や特別なプランにいち早く応募し、最大限に利用したことを成功要因として見出した。

(3)主に国及び各地方自治体が公開している就労支援事業所の活動状況・利用人数、施設数などの文献調査を行った。現在調査継続中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新規の事例研究対象を選択してアンケート調査等を実施する前に必要な分析として、これまでに行った調査のうち、次の2点の研究事例分析を優先的に行ったことによる。
(1)新規事業を立ち上げて成功している事例や食品開発事例など、まだ十分な成功要因の分析が行われていない好事例の分析
(2)地方自治体の支援内容の状況と効果があった支援、効果がなかった支援とその理由についての分析
これらを論文にまとめ、後述の国際学会にて発表し、今後の方向性などについて検討することができた。
文献調査は、現在進行中であるが、当初の計画で見込んでいた文献データからの調査対象県の選択(優良県・平均県・平均より劣る県)が難しいことが予想されるため、他の手段を検討中である。

今後の研究の推進方策

研究計画の変更:調査対象事業所の選択方法

文献調査は途中段階であるが、これまでの結果からは、当初の計画のように、県の平均工賃の金額データの水準や、事業所の利用延べ人数の状況等から「レベルが高い県」、「平均的な県」、「低い県」、という分類で調査する地域を選択することが妥当かどうか疑問が残った。また、プレ調査から、小規模事業所では利用者の工賃の金額は、職員の報酬をどの程度にするかによって工賃に回す金額が変わる、といった情報も得られたため、文献データから、新規・小規模事業所の好事例がどこにあるのかを見いだすという方法は再検討する。

調査の対象となる、小規模・新規事業所のうち、独自の工夫を行っている特徴ある「好事例」と、そうではなく運営が難しくなっている「非好事例」を選択することが目的である。現在の方策としては、(1)先の研究で取り上げた地域に密着して同じ自治体・地域でありながら新規・小規模事業所にはどのような課題があるのかを比較分析する (2)各県の担当者及び市レベルの担当者に条件に合う小規模・新規事業所を推薦いただくことも検討する。

次年度使用額が生じた理由

主に、出張旅費の使用がなかったことによる。
プレ調査の小規模・新規事業所については、千葉県・埼玉県の事業所を訪問したため、旅費の出費が必要なかった。また、文献調査は進行中であり、新たに訪問する自治体の選別方法を見直していることから、遠方の地方自治体への訪問調査も当該年度には行わなかった。

次年度使用額の使用計画

次年度は、地方自治体、地方の事業所への訪問調査を複数回行う。地域はまだ決定していないが、これまでの調査で訪問した熊本県、沖縄県、島根県を含み、関東近県および関西、東北、北海道なども視野に入れて調査を行う予定である。
また、訪問調査後のデータ書き起こし、整理などを外部に委託して行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] A Study on the Method of Product Development Management at Vocational Aid Centers2015

    • 著者名/発表者名
      Chitose Ikeda
    • 学会等名
      ISASE 2015  International Symposium on Affective Science and Engineering
    • 発表場所
      工学院大学(東京都新宿区)
    • 年月日
      2015-03-22 – 2015-03-23

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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