研究課題/領域番号 |
26350024
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
輿水 肇 明治大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (60012019)
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研究分担者 |
菊池 佐智子 山梨県富士山科学研究所, その他部局等, 研究員 (50409471)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 屋上緑化 / ウィンターオーバーシーディング / 太陽光パネル / ソーラーシェアリング |
研究実績の概要 |
建築物屋上空間の有効活用をはかるため、緑化と太陽光発電の両立を図る可能性についてとりあげた。屋上緑化については、東京都をはじめ公共団体で助成制度を運用し、太陽光発電については、国の施策として税制優遇措置が講じられるなど制度論的検討が進み、どちらを優先すべきかが議論になってきた。都市環境改善の立場から屋上緑化を、温暖化防止の立場からは再生可能エネルギーの利用を推進するという事業を屋上で両立させるため、屋上に緑化された芝生の上に太陽光パネルを設置して、両立が図れないかを検討してきた。過年度までの研究成果から、コンクリート面においたパネルは裏面が輻射熱により高温になり発電効率を低下させること、芝生面に設置したパネルは発電量がパネルの性能に対し飽和することがないことを把握してきた。しかし従来の結晶シリコン型のパネルは、強い日影が発生しパネル化の光束密度が低下することから、芝生生育を著しく抑制し、緑化と発電が両立するとは言えない状況が次第に発生することも判明した。 そこで緑化と発電を両立させる可能性を探るため、太陽光透過型のパネルを導入し、芝生生育と発電効率の適正化を図る可能性について検討した。さらに、通年の緑すなわち常緑の芝生が屋上緑化、と太陽光パネル発電の両方にとって効果的であることから、透過型パネルの下で、冬季にも緑の芝生を維持するために、ウィンターオーバーシーディングを実施し、発電と芝生生育の両方に太陽光をシェアするというソーラーシェアリングの考え方を導入し、その可能性と有効性について、発電量と芝生生育の両面から検討し、成果を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
過年度に取得したデータ解析はこれまでの実績から順調にすすんでいる。 しかし、昨年度の天候不順の気象から、太陽光発電に変動が大きく、また芝生の冬の生育がやや抑制されたため、最終年度の今年度のデータの継続性に不安定性が懸念されている。
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今後の研究の推進方策 |
計画通りに遂行可能である。 研究成果を関連学会で発表したことにより、いくつかの議論があり、その点をとりいれ、研究機材を自前で改良することが可能になった。より高度な研究へと進化する可能性が見えてきたので、計画通りに進めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費の算出に修正が生じたため
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次年度使用額の使用計画 |
国際会議への出席旅費として使用予定
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