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2016 年度 実施状況報告書

ソーラー緑化の多面的環境性能を活用したサステイナブルな生活と都市のデザイン

研究課題

研究課題/領域番号 26350024
研究機関明治大学

研究代表者

輿水 肇  明治大学, 研究・知財戦略機構, 研究推進員(客員研究員) (60012019)

研究分担者 菊池 佐智子  公益財団法人都市緑化機構, 未登録, 研究員(移行) (50409471)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード屋上緑化 / ソーラーシェアリング / パネル温度 / 発電量 / 結晶シリコン型 / 光透過型パネル / 芝草被覆率
研究実績の概要

建物への太陽放射熱貫入抑制のための屋上緑化による室内空調負荷の低減、屋上への太陽光発電のソーラーパネルの設置による持続可能エネルギの利用を両立させるため、芝生緑化面の上に結晶シリコン型のパネルと太陽光透過型の発電素子を置き、緑化と太陽光発電のあいだでのソーラーシェアリングの可能性を検討するための実証試験を行った。その結果、夏季においてはコンクリート表面に置いたパネルと芝生面に置いたパネル間で発電量に差は生じなかった.結晶型パネルを置いた芝生面は、3年でノシバ(エルトロ)が消滅し、キク科の高茎雑草が優占するようになった.芝生の常緑化を目指し、9月にアニュアルライグラスをオーバーシードし、成長を促進するための定時定量灌水を施した.冬季の発電量にコンクリート面との間で有意差が認められた.芝生面からの蒸発散潜熱による影響があったことが示唆される.春季のZoysiaへのトランジションは、4月の気温と降水量の違いにより、転換状態が異なり、その成否が発電量にも影響していることが示唆された.透過型パネルの下では、当初は冬柴のアニュアルライグラスの生育促進が観察されたが、2年目以降は結晶シリコン型との間で草丈、株数などに有意な差は観察されなかった。3年目になると、パネル面下部の芝生は衰退し、アキメヒシバなどのイネ科雑草が発生し、植被率を高めた.芝生面全体の芝草の状態を均一にするため、25mmで刈り込んだところ、刈込直後には裸地の占める割合が40%となり、透過型パネルであっても、芝草の生育には光量が不足していることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

常緑芝生とすることで、芝生と太陽光パネル間でのソーラーシェアリングの可能性を検討することを主要な目的とした.夏型芝のZoysiaと冬型芝のアニュアルライグラスとの間での、冬季と春季のトランジションが必ずしも毎年定常状態で繰り返されることがなく、年によって、トランジションの時期と状態に差が生じた.気象の年較差と播種時期、刈込時期などの調整が未経験の問題が多く、必ずしも適正な状態ではなかったのではないかと推察される.それ以外の状態はおおむね順調であった.

今後の研究の推進方策

ソーラーシェアリングをより効果的に実現するため、太陽光パネルの太陽に対する設置角度を変化させる装置を付加し、発電効率と、パネル下の光量子密度を制御することにより、最大発電と光合成速度の最大化を図るクリティカルポイントを探る方向へと実験方法を進化させる.

次年度使用額が生じた理由

測定機器用のバッテリーなどの消耗が予想より遅かったため、購入量が予定より少なかった。

次年度使用額の使用計画

試験研究の終了により、太陽光パネルを廃棄するための廃棄処理費用などとして使用.

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公開日: 2018-01-16  

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