研究課題/領域番号 |
26350033
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研究機関 | 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館 |
研究代表者 |
木田 拓也 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館, その他部局等, 主任研究員 (40300694)
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研究分担者 |
井口 壽乃 埼玉大学, 教養学部, 教授 (00305814)
井田 靖子(菅靖子) 津田塾大学, 学芸学部, 准教授 (20312910)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | デザイン / 工芸 / 東アジア / 文化交流 |
研究実績の概要 |
一年目にあたる平成26年度には、2014(平成26)年5月30日にロンドンのデザイン・ミュージアムにおいて開催された国際シンポジウム「1920-45 Inter-Asia Design Assimilation: Translations, Differentiations and Transmission」に、本科研メンバーの三名(木田拓也、井口壽乃、菅靖子)が参加し、研究発表を行った。このシンポジウムでは、イギリス、日本、韓国のデザイン史研究者12名が参加、「工芸・プロダクト」「ファッション」「グラフィックデザイン」の三つの分野に分けてセッションが行われた。1920~45年の時代における東アジア圏内におけるデザイン交流に関する研究発表とディスカッションが行われた。なお、当初の研究計画では、平成26年度に韓国からの研究者を招へいし研究会を実施する予定だったが、招へいを予定していたヘ・ボヨン氏にもこのロンドンでのシンポジウムに参加しており、そこで意見交換を行うができた。なお、個別には、木田拓也は、2014年11月中国北京の中国社会科学院および清華大学で行われたシンポジウム「近代日本美術史と近代中国」に参加した。さらに、アメリカのAssociation for Asian Studies(AAS)において発表を行った。また、井口壽乃は、2014年4月、台湾の個人コレクターの「秋恵文庫」において日本統治時代のデザイン関係資料(ポスター)を調査した(2015年1月にも)。また、井口は、2014年5月乃村工藝社(大阪)の博覧会アーカイヴにおいて、満州博覧会に関する資料調査を実施した。さらに、井口は2015年1月、台湾国立交通大學図書館にて、台湾の交通関連論文の収集を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画案では、年度ごとに区切り、一年目:韓国、二年目:台湾、三年目:中国というように年度ごとに重点的に調査地域を定めて、調査研究を行う計画を考えていた。当初の計画では、一年目にあたる平成26年度には、韓国の研究者を招へいし、韓国の調査を重点的に行う予定だったところ、ロンドンのデザインミュージアムで2014(平成26)年5月に行われたシンポジウム「1920-45 Inter-Asia Design Assimilation: Translations, Differentiations and Transmission」に、本科研メンバーの三名(木田拓也、井口壽乃、菅靖子)が参加、これには、ユナ・リー(ブライトン大学、韓国出身)と、ヘ・ボヨン(ソウル大学)、イ・イエヨン(SOAS、韓国出身)も参加していた。この三氏は、韓国と日本の文化交流を念頭におきながら韓国の近代デザイン史研究に取り組んでいる研究者グループであり、効率的に意見交換を行うことができた。とはいえ、平成26年度には、当初予定していた、韓国での現地調査を行うことができなかったので、韓国での現地調査については二年目の課題としたい。
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今後の研究の推進方策 |
2014(平成26)年度は、海外で実施される国際会議やシンポジウム参加の機会に恵まれたこともあり、現地調査が計画通りには行えなかった。しかしながら、国際会議やシンポジウムは海外において類似した課題に取り組む研究者と意見交換する貴重な機会であり、今後も積極的に参加していきたい。そのため、現地調査については、できる限り海外での発表の機会とうまく連動させながら展開させていくことを検討しながら、韓国、中国、台湾の現地調査の機会をとらえ、研究を進めていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
端数が生じたため
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次年度使用額の使用計画 |
次年度以降も使用計画に変更はない
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