研究課題/領域番号 |
26350036
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
川端 博子 埼玉大学, 教育学部, 教授 (70167013)
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研究分担者 |
田中 早苗 東京家政大学, 家政学部, 准教授 (40349519)
伊藤 大河 学習院大学, 付置研究所, 助教 (40735073)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ICT / 動画教材 / タブレットPC / 家庭科 / ものづくり学習 / 被服製作 |
研究実績の概要 |
家庭科でのものづくり学習をより楽しく、円滑に進められることを意図して、手縫いとミシンの基礎技能を習得させる動画教材を作成した。研究分担者の指導・アドバイスを得ながら、教科書に掲載される玉結び・玉どめからボタンつけまでの12の動画コンテンツと、ミシン操作の基本に関する8コンテンツを作成してWebにて公開し、学校のみならず自宅でも閲覧が可能になるようにした。並行して、製作過程を示す動画教材(トートバック、手縫い巾着)の動画教材も作成した。 中学校2年生170名を対象に、タブレットPCとトートバッグ製作過程の動画教材を活用し、製作学習にどのような効果があるかを考察した。まつり縫いの一斉指導場面と、個別の指導が必要な個別指導場面の2場面を観察対象とし、生徒の教材評価と教師の机間指導・発話分析を行い、生徒の製作学習の理解度と教師の指導の変化をとらえた。 小学校教員免許状取得希望の大学生(70名程度)を対象とする家庭科指導法の講義で針と糸を使った製作学習の改善を意図する動画教材を作成した。今後は動画教材を利用して授業を行い、指導を行きわたらせることができたか、技能習得度を向上できたかについて考察していく。また、被服学を専門とする大学生に対しては、無線LAN設備のない大学の被服実習室に無線LANのルーターを一時的に敷設し、製作実習の動画教材を配信してタブレットPCおよびスマートフォンによる動画の閲覧状況を調査した。調査対象とした教材は、3年生のシャツブラウスの製作の縫い方(袖口の剣ぼろ付き短冊あきと台襟つきシャツカラー)と、2年生のパターン製図(テーラードカラーの描き方)である。今年度は貸し出し用タブレットPC5台による試行であったが、今後は更に台数を増やして動画閲覧環境を整える方策を検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
26年度は研究着手の年であったが、多種の動画コンテンツを完成させ、Webにて公開できた。中学校と大学で授業実践を行い、さまざまな学校種での被服製作学習教材の効果について考察し、学会発表をすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
26年度作成の動画は、概ねよい評価を得ているが、基礎縫いについてはさらに分かりやすさを求めて修正を行うとともに、動画の追加を研究分担者とともに検討している。家庭科の製作実習におけるミシン操作技能のレベル低下やミシントラブルは問題となっており、この点に焦点をあてた授業実践を計画していきたいと考える。 家庭科から大学専門課程の製作学習までを視野に置いたICTの活用とその効果検証を研究分担者との連携により進めていきたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
使用の端数1円の残がでた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度に繰り越して使用する。
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