本研究は,3歳~6歳までの幼児の幼稚園での食事場面を縦断的に観察し,幼児の生活文化の共有過程とそれに対する保育者のかかわりについて明らかにすることを目的とする。 研究の結果,年少時の幼児の食事は,保育者から助けを受けつつ,「食」中心の時間から文化的な時間へと変化することが推察された。年中時では,発話内容が食べることから,食べること以外を含むものへと変化することが示された。年長時には,食べることに関する多様な話題を共有し合い,「食」をポジティブに評価する会話が多くなされることが示唆された。一方保育者は,幼児の発達に伴い,幼児への発話が減少し,食事場面が幼児中心に展開することが示唆された。
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