本研究では、高齢者の地域居住に向けた介護事業所と地域の役割相乗型連携を検討した。 (1)元気高齢者に対する健康介入は、主体的に健康を維持する者の出現と、健康志向グループのコミュニティの形成に寄与できる。(2)在宅要介護高齢者には、多職種と地域を巻き込んだケアネットワークの構築が必要であり、介護事業所は要介護高齢者を中心に据えたケアコミュニティの形成を行う必要がある。(3)施設高齢者は、地域で暮らしているという感覚を持てることによって施設の住み心地が良くなる。そのためには、施設高齢者には施設以外に居場所が必要であり、介護事業所は施設高齢者が社会関係を維持できるような介入をケアと捉える必要がある。
|