本研究は「遊び仕事」のあり方に着目し、京都府丹後半島及び台湾原住民族を対象にしてその実相を明らかにした。 台湾原住民タロマク族の調査では、狩猟活動を自然共生型や集落共同体のあり方を内包する遊び仕事として捉え、民俗学的視点より狩猟のプロセス、道具、信仰、狩猟の名誉などを考察した。結果、Taromak 族の狩猟には、肉の分配や神・霊に対するパリシの行為など、自然と対峙しながらも誇り・分かち合い・自然への感謝など、狩猟を通した自然観が継がれている実態が確認できた。また、彼らの狩猟行動・狩猟文化には従来の遊び仕事の概念に加えて民族の誇り・自然への畏怖と信仰・共同体の堅持などへの強い意思が内包されていた。
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