本研究は、近年、保育者の専門性として位置づけられるようになった“子育て支援力”養成の実態について、保育者養成校と子育て支援施設への調査・分析を試みたものである。その目的は、子育て支援実践の場との連携による新たな保育者養成の可能性を明らかにすることである。養成校を対象としたアンケート調査、日本・ニュージーランドにおける視察および聞き取り調査を行った結果、カリキュラム内外で実践されている現状が多く明らかとなり、子育て支援実践の場における学生の学びの意義が十分認められた。但し、実施上の課題も否めず、特に、身に着けさせたい“子育て支援力”は、多様で多層的であった。今後、さらなる有効性検証の必要がある。
|