研究課題/領域番号 |
26350055
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研究機関 | 佛教大学 |
研究代表者 |
坂本 勉 佛教大学, 社会福祉学部, 准教授 (70329994)
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研究分担者 |
堀井 節子 京都光華女子大学, 健康科学部, 准教授 (30290224)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 高齢者虐待 / 経済的虐待 / 成人保護サービス / ソーシャルワーク / 高齢者虐待予防教育 |
研究実績の概要 |
研究1年目における研究活動として、以下の2か国2団体にヒヤリング調査を行った。 1.アメリカ合衆国、サンタクララ郡におけるAPS(Adult Protective Services)を訪問し、当該機関が先駆的実践を行っている特別チームの内容をお聞きした。特に、当該機関では「FINANCIAL ABUSE SPECIALIST TEAM PRACTICE GUIDE -SANTA CLARA COUNTY- DECEMBER, 2010 VERSION 1.0」を公表しており、高齢者の経済的虐待に特化した特別チームを編成している。その機関での認識では、現金預金を保有していない高齢者においても、不動産所得などの価値が近年上昇傾向にあり、それらへの不当なアクセスに対しても対応するとしている。これらの取り組みは、左記論文(「A Case Study of the Santa Clara County Financial AbuseSpecialist Team (FAST)Program、JOURNAL OF GERONTOLOGICAL SOCIAL WORK Vol. 39(3) 2002」でも確認でき、その相談機関での体制やハード面での整備を確認した。 2.カナダブリティッシュコロンビア州の、NPO法人である、The British Columbia Coalition to Eliminate Abuse of Seniors (B.C.CEAS)を訪問した。広大な州全体をこのNPO法人が担っており、その活動の範囲を確認することができた。特に、今回はこの団体で作成した高齢者虐待予防プログラムを入手し、各地区においてボランティア団体および高齢者に提供し、意識啓発活動を展開している。 以上2か国の訪問にて、今年度の調査予定が完了し、予定通りの調査が実施できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
今回の交付申請に関する海外での先駆的実践事例を、直接視察することによって、必要な資料を入手すると同時に、日本語訳での使用に関する著作権の了解を得ることができた。また、アメリカでは公的機関として取り組みを行っていることが理解でき、国による成人保護に対する体制や考え方が異なることを把握した。この研究初年度における当初計画はほぼ達成でき、先方との今後の情報交換などの手段も確保することができた。研究活動2年目の国内実践研究の基盤を確保できた。
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今後の研究の推進方策 |
研究初年度に確認および入手できた資料や活動内容を基に、マニュアルや啓発活動のための映像教材などの日本語訳を行っていきたい。同時に、いくつかの自治体で出来上がったマニュアルおよび映像教材を日本語字幕版のものを作成し、モデル実践活動行っている予定である。今年度は京都府下、大阪府下を中心に活動を展開する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画通りであったが、端数が生じたため。
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次年度使用額の使用計画 |
その他項目で消耗品などにあてたい。
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