研究課題/領域番号 |
26350058
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研究機関 | 就実大学 |
研究代表者 |
柏 まり 就実大学, 教育学部, 准教授 (30373145)
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研究分担者 |
佐藤 和順 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (10413436)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 父親の育児参画 / ワーク・ワイフ・バランス / 子育て支援 / 保育施設 / 男性保育者 |
研究実績の概要 |
本研究は,子育て家庭におけるワーク・ライフ・バランスの実情について調査し,父親の育児参画を推進するプログラムを構築・実施することで男女共同参画社会の実現に寄与するものである。上記の目的を果たすため,計画実施計画案にそって研究の推進を図った。具体的には次のとおりである。 第一に,子育て期の父親・母親のワーク・ワイフ・バランスの実情を明らかにする全国規模のWeb調査を実施した。調査の結果, 回答数は,1,133名であり,回答者全員が未就学児を有している子育て中の保護者であった。得られた回答を集約し,子育て期の父親・母親のワーク・ワイフ・バランスの実情及び未就学の乳幼児を有する父親・母親の子育ての実情と子どもとのかかわり時間に関する実態把握と課題の抽出を行った。 第二に,男性保育士連絡会等の協力を受け収集された実践資料及び,先行研究を手がかりとして想定された理論仮説から,「子育て支援における男性保育者の役割モデル」を構築することができた。併せて,研究協力園との連携により,父親の育児参画支援プログラムを年間を通して継続的に実施した。現在は,プログラムに参加した父親・母親へ質問紙調査及びインタビュー調査により収集されたデータを基に,子育て意識の実情やプログラムへの参加意義等について検討し,父親の育児参画支援プログラムにおける実証的研究を進めている。 第三に,子育て先進国として,スウェーデンの保育施設及び子育て支援センターの視察を行った。スウェーデン政府を中心とした組織的な子育て支援の実態,子育て支援センターにおける実践と課題,保育施設における取り組み内容と利用する保護者の子育て支援に関する意識等について把握することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の進捗状況としては,昨年度のやや遅れを解消し,順調に進展している。具体的な理由は,次のとおりである。 第一に,昨年度実施できなかった子育て先進国への調査を遂行することができた。子育て先進国(スウェーデン)での調査から,現地でしか収集することのできない貴重な実践資料を得ることができた。 また,父親の育児支援に関する著書や資料を入手し,父親の育児参画支援研究の基盤となる理論仮説の構築が可能となった。 第二に,父親の育児参加プログラムが通年を通して実施することができた。参加した父親・母親への意識調査やインタビュー調査により,プログラム内容の評価基盤が想定されたことは,研究を進めるうえで重要な基点となる。 第三に,研究成果の公表については,随時査読論文等への投稿に着手しているところである。修正すべき課題はあるものの,研究成果公表のための準備は確実に進展している状況にある。 今後は,研究成果公表のために,論文内容を推敲し,研究内容の公表に努める。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策としては、次のとおりである。 第一に,今年度開発された父親の育児参画支援プログラムを手がかりとして,ワーキンググループを立ち上げ,プログラム内容の充実を図る。 第二に,父親の育児参画支援に関する指導書を作成し,地域の子育て支援拠点施設・幼稚園・保育所等へ配布するとともに,研究者ホームページ等における父親の育児参画プログラムの公表と,地域社会における父親の育児参画支援の啓発活動に努める。 第三に,父親・母親の子育て意識に関する質的研究を進めるうえで不可欠となる解析ソフトを用いて,収集された逐語データの数量的分析及びデータ内容の可視化に努める。 また,全ての研究成果の取りまとめにおいては国内の研究者から指導及び助言を受け,独善的な研究にならないように配慮して進めるよう留意する。
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次年度使用額が生じた理由 |
第一に,本年度より,父親の育児参画支援プログラムを実施したが,研究協力園の子育て支援事業との共同実施となったため,講師への謝金や学生ボランティア等への人件費の執行予定額が減額となった。次年度では,計画案に沿った人件費・謝金の執行を行う。併せて,研究協力者からの指導・助言に際しての国内出張及び,研究発表に係る国内出張については,今年度取りまとめた成果について,順次専門的な助言を得ながら内容を精査し,学会発表等での公表に努める。 第二に,子育て家庭を対象とした質問紙調査を予定していたが,全国調査を実施するにあたり,倫理的配慮及び回答者の多様性や属性の偏りを軽減するために,Web調査を実施することとした。そのため,物品費の消費が少なくなり,Web調査に関連したその他費目の執行額が多くなっている。次年度には,子育て支援拠点施設等へ配布する指導書及び調査報告書等の作成・郵送等を予定している。
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次年度使用額の使用計画 |
第一に,物品費については,主として研究成果まとめた、指導書及び研究報告書の作成・郵送を計画している。研究者の勤務地を拠点とした県内全域の保育支援拠点施設等への配布を予定している。また,父親の育児参画支援にかかるワーキング・グループの研究において,プレゼンテーション関連の物品の購入を計画している。子育て支援プログラム内容を視覚的にも共有し,プログラム内容の質的向上を目指して,検討を進める。 第二に,次年度では,研究成果の推敲に伴い,研究協力者の指導・助言を得るため国内出張が不可欠となる。独善的な研究報告とならぬように,専門的な指導・助言を受けて,研究内容の公平性と正確性を確保し,内容の充実に努める。また,次年度に予定している父親の育児参画支援プログラムに係る研究協力者への謝金及び学生ボランティア等への人件費については,年次計画に沿って適宜執行に努める。
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