本研究では、大崎上島の高齢者の外出時に役に立つ様々な情報を提供するためのシステム“しまナビ”を開発した。 本システムは、島内で運行されているコミュニティバスにGPSおよび電子掲示板を設置し、停車するバス停付近の施設情報や島内のイベントや身近な情報を提示することで、バスそのものを高齢者のための移動サロンにするとともに、島内のスーパー、病院、役場、フェリー乗り場など主要なバス停にはタッチパネル端末を置くことで、バスに設置した電子掲示板と同様の情報を見ることができ、必要な情報をタッチパネルの操作により取り出すことができるようにするものである。 本開発により、26年度および27年度を通じて、本システムでやり取りされる情報を一元的に管理する情報管理サーバを構築するとともに、GPSを搭載したバスと情報管理サーバ間の通信機能を実現した。次に、これらをもとにバスに搭載される電子掲示板やフェリー乗り場などに設置予定のタッチパネル端末にバスが接近したことなどを表示する機能を付与した。また、本システムのアプリケーションとして出発時刻からのみであるがバスの時刻表の検索システムを開発したほか、最終年度にはWWWブラウザを用いて本システムで表示する情報を入力・編集・削除が行える機能を実現するとともに、その情報の効果的な表示方法についても検討した。 今後は、利用者にとって本システムを通じて得る情報としてどのようなものが有用であるかを検討し、実験的な運用を通じてより良いシステムとしていく必要がある。
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