現在広く行われている被服材料への紫外線遮蔽(UVカット)加工は,紫外線を吸収または反射する物質を繊維製造時に,繊維に練り込む前加工であるが,これは環境への負荷が大きい。そこで,繊維,糸,布などが製造された後に加工を施す後加工による,環境への付加が小さいUVカット加工法の開発を試みた。方法はUV吸収性をもつセリウムまたはチタン含有ヒドロキシアパタイト微粒子を合成して布に担持する微粒子担持法と,植物に含有される天然色素のUV遮蔽能を利用する染色法を用いた。綿布を用いて種々の条件で加工を行ったところ,いずれの方法でも布のUVカット性が向上し,将来性のある加工法であることがわかった。
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