研究課題/領域番号 |
26350073
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター) |
研究代表者 |
高橋 裕子 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 客員研究室長 (00346305)
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研究分担者 |
東山 明子 大阪商業大学, 公共学部, 教授 (20228711)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | きもの / 健康影響 / 帯圧 / 平均皮膚温度 / 衣文 / 積極性評価尺度 |
研究実績の概要 |
きもの着用と健康の関連を明らかにするため7つの研究を実施した。 (研究1)きものと健康に関する意識調査(質問紙法)では、きものを日常的に着用している群(以下着用群N=240)では、「とてもよい」「どちらかというとよい」をあわせると75%であったが日常的に着用していない群(以下非着用群N=245)では「とても悪い」「どちらかというと悪い」が46%であり、「とても良い」は0%と回答に乖離がみられた。(研究2)帯圧を圧シートセンサーを用いて調べたところ、着用群では、吸気時に帯揚げの紐による圧迫が最大21mmHgにとどまり、腰骨の上と腹部中央の帯が接する部分に帯が乗っている以外には大きな圧迫はないが、非着用者では、肋骨面のほとんどすべてに強い圧迫がみられ、最大圧47mmHgに達した。(研究3)室温を一定にした環境で、洋装と着物での平均皮膚温を比べた。着物での平均皮膚温は33.01度となり、人間がもっとも快適と感じる温度となっていた。(研究4)自分で快適と思う室温に設定できる状況では、洋服着用者が室温を24度から26度に設定したのに対し、きものを日常的に着用している人では20度から22度と低い室温でも快適と感じていた。(研究5)ゆかたの着用方法のちがいによる深部体温と発汗量の差に関する研究から、衣文の重要性が検証された。(研究6)着用群への質問紙調査 (無記名直接配布回収法)の結果を直近の国民栄養調査結果と比較検討した。着用群ではBMIは低く、治療中の疾患は少なく、「朝食を食べる」「喫煙しない」「1回30分以上の運動を週3日以上おこなっている」など良い生活習慣を有する割合が高かった。(研究7)「積極性評価尺度」を用いてきもの着用の心理的影響を検討した結果、きもの着用後には35項目中16問が大幅に増加していたことから、心理的影響においてもポジテイブな影響が示唆された。
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