本研究では,嚥下状態にある液体食品の粘度(とろみ)を予測するために適当な粘度計,すなわち,構造が簡単で,取扱いが容易な簡易型の,迅速性をもつ測定器の開発と評価システムの構築を目的とした.嚥下挙動を模擬するべく溝型流路を操作や構造の点で修正した測定器を考案し,測定器における液の流れを流体工学的な方法で解析した.流動実験にはニュートン性および非ニュートン性の試験液を用いた.本測定器に特有の粘性評価法を検討し,摩擦係数とレイノルズ数の関係に基づく概念を提示した.併せて,流れに及ぼす諸条件の影響を液体食品の嚥下プロセスとの関連において明らかにした.
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