研究課題
平成28年度はサトウキビおよびスイートソルガムからの甘味素材の抗菌性物質として、ポリフェノール化合物に着目し、ポリフェノール含量の測定や抗菌性とも関連する抗酸化活性の評価を行った。平成26年度から平成28年度の概要は以下の通りであり、本研究により亜熱帯甘味資源からの甘味素材の嗜好性および機能性成分と加工法との関連や新たな甘味素材に含まれる機能性成分についての知見が得られた。○サトウキビからの新たな甘味素材(含蜜糖)の嗜好性および機能性成分の解析と評価サトウキビからの新たな含蜜糖の製造において卓上型含蜜糖製造装置を設定することにより、実験室レベルで再現良く製造することを可能にした。新たな含蜜糖の色調は黒糖に比べて薄く、香りも減少していたが、味覚センサーでの呈味性の違いは認められなかった。したがって、黒糖に比べ、調理に使う食品素材そのものの香りを活かす食品加工に適していると考えられた。また、抗酸化活性に関係するフェノール化合物含量は黒糖の約60%、ミネラルについてはほぼ同量を含んでいたことから、機能性も十分保持していることが確認できた。○スイートソルガムシラップの嗜好性および機能性成分の解析と評価スイートソルガムからのワックス成分として、C22~C30のポリコサノールとして5成分、C26からC30の3成分の長鎖アルデヒドの存在を確認した。試作したスイートソルガムシラップはサトウキビシラップに比べ、還元糖の含量が高いことから、液糖での形態が適していると考えられた。また、味覚センサーでの呈味性の分析から、黒糖に比べ甘味は弱いものの、苦味があることが明らかになった。一方、抗酸化活性に関係するフェノール化合物含量やラジカル消去活性は、黒糖よりも高い値を示したことから、スイートソルガムからはサトウキビとは異なるフレーバー特性や機能性をもつ甘味料の開発の可能性が示唆された。
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沖縄農業
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