研究課題/領域番号 |
26350105
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
藤井 恵子 日本女子大学, 家政学部, 准教授 (20186480)
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研究分担者 |
海老澤 元宏 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター), その他部局等, その他 (30338876)
藤井 智幸 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (40228953)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 食物アレルギー / アレルギー対応食品 / グルテンフリー |
研究実績の概要 |
【目的】食物アレルギー(以下FA)による食のQOLの低下についての報告は散見されるが、食物アレルギーに対応した食品としてどのようなものが望まれているかを調査した報告は少ない。そこで、FAの主要抗原である鶏卵、牛乳、小麦を除去している患児がどのような食品を求めているか調査を行い、その実態を明らかにすることを目的とした。 【方法】国立病院機構相模原病院小児科に通院する患児102名、および東京都B小学校に通う児童208名およびその保護者を対象にアンケート調査を行った。調査対象を、医師より食物アレルギーの診断を受けたうえで前述の主要抗原を除去している食物アレルギー群(FA群)と、それらを除去していない非食物アレルギー群(非FA群)にわけて結果を比較検討した。検定には、χ2検定、Mann-WhitneyのU検定を用いた。 【結果】対象者の年齢は、FA群が3~18歳(平均年齢6.7±2.7歳)、非FA群が5~12歳(平均年齢9.0±0.73歳)であった。食品の購入場所、食品を選ぶときに注意していること、主要抗原の使用頻度、主食および間食の種類、食物アレルギー対応食品について、食生活の不自由度、家庭内外での子供の食事や食習慣などについて尋ねた結果、FA群は非FA群に比べ、加工食品の購入、おかずやおやつ、弁当の調理、栄養面、外食、旅行において有意に不自由度が高いことが明らかとなった。食物アレルギー対応食品に期待することは、‘種類の充実’、‘価格を安くしてほしい’、‘美味しさ’が上位に挙がり、市販を望む食品としては、‘菓子パン’、‘アイスクリーム’、‘ドーナッツ’が上位に挙がった。 【結論】鶏卵、牛乳、小麦の除去をしているFA児は、加工食品の選択肢が狭まり、QOLが低下することが明らかになり、食物アレルギー対応食品の研究開発の重要性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
食物アレルギー対応食品の実態調査の結果より、鶏卵、牛乳、小麦の除去をしているFA児は、加工食品の選択肢が狭まり、QOLが低下することが明らかになり、食物アレルギー対応食品の研究開発の重要性が示された。市販を望む食品として、上位に菓子パンが挙げられたことから、食物アレルギー対応食品として、米粉マフィンを調製することとした。 使用する米粉の粉体特性を調べ、現在嗜好性の高い米粉マフィンの調製方法を検討中である。
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今後の研究の推進方策 |
アレルギー対応食品の実態調査より、望まれている食品が明らかとなり、米粉マフィンを調製することが決まったので、平成27年度は米粉マフィンの調製方法の確立、生地の特性、マフィンの物性、品質の評価を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究に必要な試薬については、ストックを有しているものがあり、研究開始にあたってはまずそちらの方から使用したため、予定より安く済ませることができた。
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次年度使用額の使用計画 |
研究室のストックはほぼなくなったため、今後は研究遂行に伴い試薬を新規購入する予定である。
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