健常成人を対象に咬筋の活動を利用した果汁風味の検出(検知)と認知に要する時間を測定する手法を開発し、その有効性と信頼性を確認した。 これら反応時間には、試料の硬さが大きく影響していた。そして、市販のグミ・キャンディに含まれているニオイの強度が(甘味や酸味を呈する)糖や有機酸の量よりもこの検出時間に大きく影響していた。 また、呼吸位相との関係では、風味の検出信号は呼息(息を吐く)相の方が吸息(息を吸う)相や休止(息を瞬時止めている)相よりも多い傾向にあった。咀嚼位相との関係では、その検出信号は閉口相と開口相との間で差がなかったのに対し、風味の認知信号は開口相の方が閉口相よりも明らかに多かった。
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