ソフトスチーム加工技術は常圧で40~95℃の湿り飽和空気を利用する食品加熱技術である。処理温度や時間を変えることで食品の物性を調製することも可能なため、咀嚼力が衰えた高齢者向けの食品も調整できると考えられた。本研究では鶏ムネ肉を使用した。 まず、形があり軟らかい肉を調製するのに必要な加熱温度や時間を、物性検査の結果から決定し、その条件で加工した肉を、異なる年齢層の健常者に試食・評価させた。その結果、ソフトスチーム加工肉は、通常に蒸した肉より有意に「軟らかい」「飲み込みやすい」などの咀嚼嚥下特性を持つと評価された。本加工食材は酵素類や結着剤を使用しておらず、安全で食べやすいという特性を持つ。
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