研究課題
基盤研究(C)
本研究では、ステロイドサポゲニンであるジオスゲニンが脂質代謝及び骨格筋に与える影響を検討した。ジオスゲニン摂取ラットにおいて骨格筋における筋線維が増大・増加することを見出し、さらに肝臓及び内臓脂肪の蓄積が抑制されること、血中HDLコレステロール濃度が有意に上昇することを見出した。またマウス筋芽細胞由来C2C12細胞を用いて、ジオスゲニンが骨格筋細胞の細胞融合を促し、多核の骨格筋細胞への細胞分化を誘導すること、さらに骨格筋細胞のAMPキナーゼのリン酸化レベルを亢進することを明らかにした。
食生活学
本研究によりジオスゲニンが骨格筋に与える生理作用を、細胞レベルでの解析結果を伴って、提示することができた。運動不足が「死亡に対する危険因子」に挙げられているが、得られたこれらの成果は、運動時に骨格筋において得られるエネルギー消費の亢進作用及び筋線維の増大・増加作用を示すものと考えている。ジオスゲニンは一部のヤマノイモ属等に多く含まれることから、食品中の機能性成分として期待できる成果が得られたのではないかと考えている。