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2014 年度 実施状況報告書

高圧加熱処理による小麦アレルゲン低減化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 26350113
研究機関飯田女子短期大学

研究代表者

友竹 浩之  飯田女子短期大学, その他部局等, 教授 (90300136)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード小麦 / 加熱 / アレルゲン / 低減化
研究実績の概要

1 小麦粉を粉のままオーブン加熱して、アレルゲンタンパク質を不溶化させることを目的として実験を行った。
①小麦粉を粉の状態でオーブン加熱(200℃)すると、時間とともに一部のタンパク質が不溶化した。②SDS-PAGE分析の結果、検出されるアレルゲンタンパク質の量が加熱処理により減少していた。③ELISA分析の結果、水抽出液中のアレルゲン量が、加熱処理により減少していた。④動物実験の結果、加熱処理したグルテンを摂取したラットの糞重量はやや増えていた。⑤加熱処理後の粉を用いて作ったうどんは、対照に比べて破断強度や破断歪率が低下した。 以上のことより、小麦粉を粉の状態で加熱処理することで、調理性・嗜好性はやや低下するものの、小麦アレルゲンを不溶化できる可能性が示唆された。
2 卵または牛乳をパイナップル果肉と均質化することにより、アレルゲンタンパク質を分解するための調理条件を検討することを目的として実験を行った。
①牛乳及び卵のタンパク質はパイナップル果肉と均質化して30分以上おくことにより、一部分解する。②パイナップル果肉で処理した牛乳や卵を調理に用いた場合、膨化を必要としない食品において、嗜好意欲度得点が高かった。③パイナップル果肉処理により、パンケーキ中βラクトグロブリン量は大幅に減少したが、オボアルブミン量は変化していなかった。 以上のことより、パイナップル果肉や果汁を用いることにより、熱や消化酵素に対する抵抗性が高いアレルゲンを分解できる可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

小麦粉を粉のまま加熱処理することにより、アレルゲンを不溶化できることがわかった。また、パイナップル酵素を用いて小麦アレルゲンを分解できる可能性を探ることができた。
今後、加熱条件の検討や調理操作によるアレルゲン分解の方法について、さらに研究を進めることが可能となった。

今後の研究の推進方策

現時点では、加熱処理の最適な条件が確立できていないため、詳細に検討する。
アレルゲンが完全に不溶化できない場合や、不溶化=低アレルゲン化とならない場合は、パイナップル酵素などの利用も検討する。
また、実際に調理に応用する場合の問題点について、試作や嗜好調査を繰り返して解決する必要がある。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Hypolipidemic activity of common (Fagopyrum esculentum Moench) and tartary (Fagopyrum tataricum Gaertn.) buckwheat.2015

    • 著者名/発表者名
      Tomotake H, Kayashita J, Kato N.
    • 雑誌名

      J Sci Food Agric

      巻: 未定 ページ: 未定

    • DOI

      10.1002/jsfa.6981.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Treatment with buckwheat bran extract prevents the elevation of serum triglyceride levels and fatty liver in KK-A(y) mice.2014

    • 著者名/発表者名
      Hosaka T, Sasaga S, Yamasaka Y, Nii Y, Edazawa K, Tsutsumi R, Shuto E, Okahisa N, Iwata S, Tomotake H, Sakai T.
    • 雑誌名

      J Med Invest.

      巻: 61 ページ: 345-352

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] パイナップル酵素による卵・牛乳アレルゲンの分解2015

    • 著者名/発表者名
      友竹浩之、伊藤瑠美、志摩妃沙、中村未来、山原愛理
    • 学会等名
      日本農芸化学会2015年度大会
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2015-03-27
  • [学会発表] 加熱処理による小麦アレルゲンの不溶化に関する研究2014

    • 著者名/発表者名
      友竹浩之、千裕美、山下紗也加
    • 学会等名
      第61回日本栄養改善学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2014-08-22

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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