| 研究課題/領域番号 |
26350121
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| 研究機関 | 広島大学 |
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研究代表者 |
加藤 範久 広島大学, 生物圏科学研究科, 教授 (20144892)
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| 研究分担者 |
伊豆 英恵 独立行政法人酒類総合研究所, 研究部門, 主任研究員 (00335746)
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| 研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| キーワード | エタノール / J-カーブ効果 / 老化 / 大腸がん / 老化促進マウス / 腸内細菌 / IL-6 / メタボローム |
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| 研究実績の概要 |
DMH誘発大腸がんモデルラットに及ぼす少量エタノールの影響:
エタノールを0.5%、1%、及び2%含む飲料水を28週間、dimethylhydrazine（DMH）投与ラットに摂取させ大腸腫瘍の発現に及ぼす影響について解析した。その結果、対照群（エタノール無添加）と比較して1%エタノール摂取群で腫瘍の発現が抑制されることが明らかとなった。さらに、腸内細菌叢について解析した結果、興味あることに、Clostridium leptumとClostridium cocoidesが1%群で減少しており、腫瘍発現と類似の変動を示した。これらの腸内細菌は大腸がんの危険因子とする報告があり、少量エタノールの大腸がん抑制作用にこれらの腸内細菌の変動が関与していることが推論された。さらに、盲腸内容物の胆汁酸組成も解析した結果，大腸がん抑制に関わるとされるmuricholic acidが1%エタノール群で増加していた。
老化促進マウスSAMP8に対する少量エタノールの影響:
昨年度までに、SAMP8マウスに少量のエタノールを摂取させると老化抑制が示唆された。今年度は、これらの作用機序を探るため血中の代謝物のメタボローム解析を行った。飲料水にエタノールを、1%、2%、及び5%添加して15週間の飼育を行った。その結果、1%エタノール群で老化が抑制された。血中の代謝物の中で老化抑制因子とされているkynurenineが1%エタノール群で増加傾向を示した。そのため、エタノールの老化抑制作用にkynurenineが関与する可能性が示唆された。また、betaine等のメチル基供与体がエタノール摂取群で減少していた。近年、老化とDNAメチル化の変動との関連性が報告されており、メチル基供与体の減少が少量アルコールの影響に関与する可能性について今後検討する必要がある。
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