本研究では,老化促進モデルマウスSAMP8を用いて少量エタノールの効果を検証した。その結果,少量エタノールの摂取で老化の進展が抑制され,脳機能が改善されることを示し,エタノールのJ-カーブ効果を実証した。さらに,その機構解析を行った結果,少量エタノール摂取による脳のアルコール脱水素酵素1の発現誘導がその機構の一端に関わっていることが示唆された。DMH誘発大腸がんモデルラットでも少量エタノール摂取により大腸腫瘍の発現が抑制されることを見出し,エタノールのJ-カーブ効果を実証した。さらに,その機構解析を行ったところ腸内細菌叢の変化が関わっていることが示唆された。
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