食生活の乱れが、脂肪炎症が関与する疾患にどのような影響を与えるのかを明らかにするため、ヒトの脂肪萎縮を伴う自己炎症性疾患の原因タンパクであるPSMB8を欠損したマウスに高脂肪食を与えた。その結果、欠損マウスは脂肪量が少なく、体重増加も悪かった。欠損マウスの脂肪前駆細胞は脂肪組織中の数が少なく、成熟に必要な遺伝子の発現も低かった。脂肪組織中での炎症性サイトカインの発現や浸潤細胞の数は、野生型マウスとの間に顕著な差は見られなかった。これらの結果は、PSMB8は脂肪細胞の成熟に必要であること、および、この分子の欠損は高脂肪食による脂肪炎症に大きな影響を与えないことを示唆している。
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