アクリルアミド(AA) は食品中変異・発がん物質であり、薬物代謝酵素CYP2E1により代謝活性化され、強力な発がん物質であるグリシドアミド(GA) に変換される。CYP2E1は糖尿病やアルコール摂取時に発現量が増強する。したがって、糖尿病の発症やアルコール摂取により、AAの遺伝毒性が変動すると考えられる。本研究では、糖尿病モデル及びアルコール摂取マウスにAAを投与し、AAの遺伝毒性の変動を評価した。正常群に比べ、糖尿病モデル群及びアルコール摂取群で、小核誘発能が増強し、各臓器でDNA損傷性が増強したことから、生活習慣病や食習慣により、AA等の化学物質の毒性が変動することが推測された。
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