本研究は、糖尿病発症のメカニズムの一つである「インスリン抵抗性」を改善する食品成分を見出す事を目的として検討を行った。最初にインスリン抵抗性惹起細胞の構築を試みた所、マウス由来筋芽細胞であるC2C12細胞におけるインスリンのシグナル伝達をパルミチン酸添加によって抑制させる事が出来た。そこでこの細胞を用いて食品成分を検討した結果、ビタミンE同族体の1つであるδ-トコフェロールがインスリン抵抗性を改善する事を見出した。次に、糖尿病誘発マウスに摂取させて検討を行ったが、糖尿病改善効果は見られなかった。今後は同マウスを用いて、糖尿病発症前よりδ-トコフェロールを摂取させて検討を行いたいと考えている。
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