子宮内で十分に成長することができなかった胎児は栄養を貯めやすい体質を獲得し、その結果成人後生活習慣病に罹りやすくなるという成人病胎児期起源説が注目を集めている。申請者はこれまでに線虫(C.elegans)に飢餓を施すと後代線虫の脂肪蓄積量が増えることを見出している。それに基づき、本課題では線虫を使って成人病胎児期起源説の分子機構をエピジェネティクスの観点から解析した。 その結果、飢餓を経験した親線虫と経験していない親線虫の後代ではヒストンH3タンパク質の特定のリジン残基のメチル化パターンが異なっている可能性があることがわかった。このことは成人病胎児期起源説の仕組みを調べるための突破口になりえる。
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