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2014 年度 実施状況報告書

食生活における脂質・炭水化物の種類と量は大豆の脂質代謝改善作用に影響するか?

研究課題

研究課題/領域番号 26350138
研究機関独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

高橋 陽子  独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所食品機能研究領域, 主任研究員 (50353933)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード大豆 / 脂質代謝 / 食品組み合わせ / 高スターチ食 / 高スクロース食 / 高脂肪食
研究実績の概要

従来型日本食モデル(高スターチ・低脂肪食)および現代食モデル(高スクロース食、高脂肪食)をベースにした食餌条件で、大豆粉の脂質代謝改善作用の違いを、ラットを用いて観察した。食餌群は、大豆成分を含まない高スターチ・低脂肪食を対照とし、大豆食は、① 高スターチ・低脂肪食、② 高スクロース・低脂肪食、③ 高脂肪食の3種類として、3週間自由摂食させた。

いずれの食餌群でも、大豆を摂取することにより盲腸内のpH値が有意に低下し、腸内環境が向上していると考えられた。高スターチ・低脂肪食で大豆を摂取した群では、対照食群と比べ、肝臓脂肪酸合成系酵素活性の抑制と糞中への総脂質排出量の増加、血中コレステロール濃度の低下が有意に認められた。一方、高スクロース大豆食群では、対照食群と比べ、血中コレステロール濃度の低下と糞中への総脂質排出量の増加は見られたが、肝臓脂肪酸合成系の酵素活性は抑制されなかった。高脂肪大豆食群では、他群と比べて、摂取エネルギー量と白色脂肪組織重量、血中遊離脂肪酸濃度、肝臓中性脂肪・コレステロール濃度、糞中総脂質排出量が増加し、肝臓脂肪酸合成系酵素活性が大きく低下した。しかし、高スクロース食と高脂肪食では、脂質代謝パラメータの変化が大豆摂取による影響なのか、ベース食自体の特性であるかの区別ができなかった。

したがって、高スターチ、高スクロース、高脂肪食それぞれに大豆添加食と大豆を添加しない対照食を設定し、新たに6群の動物試験を実施した。その結果、血中総コレステロールとリン脂質濃度は、高スターチ、高スクロース食で大豆摂取によって低下傾向がみられたが、高脂肪食では大豆食での低下は小さく、ベースの食餌が大豆の脂質代謝調節作用に影響を示すことが示唆された。次年度も引き続き、本実験結果の解析を継続する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初計画通りの動物試験およびデータ測定を実施している。これまでに得られた結果から、高スターチ食だけでなく、高スクロース、高脂肪食にも大豆を添加しない対照群を設定することで、大豆の脂質代謝改善作用が期待できる食餌条件をより正確に解析できると考えられたため、新たに設計した動物試験を追加した。追加の試験は、研究計画自体に影響しない見込みである。

今後の研究の推進方策

高スターチ、高スクロース、高脂肪食の対照食と、それぞれに大豆を添加した時の影響を比較して、食餌によって基礎的なエネルギー代謝が異なる状態で、大豆の脂質代謝調節作用がどのように異なるかを解析し、作用メカニズムを解明する。

これまでの研究で使用した大豆粉に加え、各種大豆食品はその調理加工により栄養成分の組成や物性の変化が生じるため、栄養的な機能性がそれぞれ異なると考えられる。今後、どの大豆食品が脂質代謝の改善に有効であるか、主な食餌エネルギー源である炭水化物や脂質の種類や量との組み合わせ効果がどのように影響するかを解明する。

次年度使用額が生じた理由

15,400円の次年度使用額が発生したのは、提出した研究計画に沿って効率的に執行した結果である。

次年度使用額の使用計画

次年度に請求する研究費と合わせて、研究計画遂行のために使用する。

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公開日: 2016-05-27  

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